「新千円札」裏面のデザインに葛飾北斎!

新札に葛飾北斎 葛飾北斎

2024年度上期をめどに市中に出回る予定の新千円札裏面のデザインは、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」です。今日は、北斎にまつわるトピックを書きました。

渋沢栄一の陰に北斎あり!

新札と言えば、一万円札の渋沢栄一氏に注目が集まるのは致し方ないところ。
五千円札は津田梅子氏、千円札は北里柴三郎氏。

でも、裏面はあまり話題になりません。
一万円札、渋沢栄一氏の裏面は、東京駅丸の内駅舎。
歴史的建造物で重要文化財に指定されているんだそうです。
へぇ、知りませんでしたー(;^_^A

5千円札、津田梅子氏の裏面はフジの花。
古くから広く親しまれている花、ってことで。

そして、、千円札、北里柴三郎氏の裏面が、われらが北斎さんの「神奈川沖浪裏」(*^^*)
国立印刷局の「新しい日本銀行券特設サイト」をご覧ください。

神奈川沖浪裏

これ、メチャクチャすごくないですか?!
一画家の作品がお札に使われるなんて!
数多いる画家さんの中で、浮世絵の世界に限っても広重、歌麿、etc.ライバルは大勢います。
その荒波を乗り越え栄冠を勝ち取った、神奈川沖浪裏なんです♪

世界が認めた北斎

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日本が誇るべき浮世絵の価値が、国内では軽視されて、海外に流出してしまったのは残念なことでした。
逆に言えば、海外の人たちが浮世絵のすばらしさをちゃんと見抜いていたということができ、それはとても嬉しいことです。
そして近年になっても、北斎の価値が高く評価されました。
それは1999年、アメリカの『ライフ』誌で組まれた特集「この1000年で最も重要な功績を残した人物100人」の中に、日本人で唯一選ばれたのが北斎だったのです。
芸術家としては、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、范寛(山水画家)、パラディオ(建築家)、ピカソ、ラファエロ、そして北斎が選ばれたのです。

「神奈川沖浪裏」は、日本人なら誰でも見たことがあると言っても過言ではない作品、見慣れた景色かもしれません。
しかし、生き物のような波の描写と、静かにひれ伏す人間、そして静かに見守る富士山の姿
見るたびに感動に打ち震えてしまうのは、私だけでしょうか?

引越し魔・北斎

引越し魔

そんな天才・北斎ですが、一方で“引越し魔”の姿もあります。
90年の生涯の中で、93回も引越ししたんだとか\(◎o◎)/!
1年に1回は引越ししている計算になりますね。
引越しにはお金もかかるし、北斎って裕福だった?と思いきや、結構貧乏だったみたいで、衣食住には無頓着(;^_^A

榛稲荷神社

北斎が晩年、近くで暮らしていた榛(はんのき)稲荷神社の碑銘にある『北斎仮宅之図(ほくさいかたくのず)』には、土産物の桜餅が入っていた籠や、鮨を包んでいた竹の皮などが散らかっている部屋の中で、布団を頭からかぶって筆を動かしている北斎と、それを見守る娘のお栄の姿が描かれています(;^_^A

北斎仮宅之図

私が撮ったこの写真では見にくいですね。
こちらのページでよくわかります。

現在、榛稲荷神社近くにある東京東信用金庫 両国支店の入口には、でっかい『神奈川沖浪裏』が描かれています♪

これだけ毎年のように引っ越していた理由として、北斎は絵描きにだけ集中したいのだが、長く住み続けると近所づきあいも無碍にできない、ならいっそのことどんどん引っ越してしまおう。。と考えていたのではないか?
北斎は、人様に対するそんな心遣いができる人だったのかもしれません。
詳しくは、『江戸のジャーナリスト 葛飾北斎』(千野境子著/国土社)に書かれています。


一見すると極貧・北斎ですが(;^_^A、それだけしょっちゅう引っ越すためには、身軽でなければできません。
持ち物は最小限。人付き合いも最小限。
北斎は“ミニマリスト” “断捨離の達人”だったのではないでしょうか?
現代とは環境が全然違いますが、北斎のそんな生き方は、今を生きる私たちにとっても、ある意味理想的かもしれません。

まとめ

いよいよあと一年ちょっと後には、財布を開くたびに『神奈川沖浪裏』を拝めるなんて、とっても楽しみです(^_-)-☆
一万円札ではなく、五千円札でもなく、一番安い千円札の裏。
でも、江戸庶民に愛され、世界中から評価される浮世絵、そして極貧を意に介さず絵描きに没頭した北斎にとって、一番庶民的な千円札の裏面という場所が、最も輝かしい場所なのかもしれません。

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